止まらないネガティブな自動思考は、心地良さ一択でスルッと止まる

「うわ雨だ、最悪」
「私っていつも結局ついてない」
「はい終わった。この流れ、良いパターンにならないやつ」


毎回同じ状況で、同じ反応をしてしまう。そんなことはきっと誰にでもあるのではないでしょうか。日常頻繁に口にする言葉、思考、それらは固定概念なのですが、時としてそれは人生に窮屈さや陰りをもたらすやっかいもの。そんな固定概念はどうやったら手放せるのでしょうか。

そもそも固定概念とは何でしょう。それはいつからか繰り返し見聞き体験してダウンロードした情報。家族やニュース、環境の中で頻繁に言われていることを記憶して無意識のうちに自分の信念となったものです。繰り返した思考がやがて信念となっていきます。そしてその信念に基づいた体験を私たちは人生で体験するのです。

苦労しないとお金は手に入らない、働かざるもの食うべからず、夢は夢、現実は厳しい、成功するのは一握りの人、良いことが続くと悪いことが起こる、というようなもはやことわざレベルで世間に広がる固定概念に始まり、この時期は必ず風邪をひく、私が出かける予定の時は大体雨が降る、夕方になるとどっと疲れる、信号運が悪い、いつもタイミングが悪い、急いでいる時ほど渋滞にはまる、なぜか上司に恵まれない、などきっと何回か体験した事によっていつしか自分の固定観念になってしまった個人的なものなど数え上げたらキリがありません。

こういった固定観念に基づいて毎日無意識に暮らしていると、自分自身を窮屈な中に押し込んでしまって毎日なんだかパッとしない。良いことが起こっても逆にその後が不安。で、結局いつもの自分に戻ってしまう。というような人生になってしまいます。幸せになりたいと願っているのに、自分自身に常日頃、幸せとは縁遠い固定概念を浴びせ続ければどうしてもそこから幸せを感じることは難しいのです。

固定観念が心地の良いものであれば問題はありません。でもたいていの固定観念は家族の口癖やメディアなどから引き継がれたものだったり、何度か経験した嫌なことに基づいている為、とてもネガティブなのが特徴です。固定観念は自動思考となり、起きている間ほとんどの時間、この自動思考がBGMのように体内に流れています。するとこの自動思考に合わせて感情は左右されます。そしてその感情にマッチするような現実が繰り返し現れます。

雨が降り出したら”あいにくの雨だ”と自動的に思考すれば、その言葉から連想するようなあいにくの浮かない日になってしまいます。しかしそもそも、どうして雨に対して自動的に”あいにく”が結びついたのか。あまりそこを考えることもなく、世で言われるその”あいにく”を自分の固定概念にダウンロードして使い続けているのです。すると、”あいにく”にまつわる不満、不足に目がいき、体調もスッキリせず、ちゃんと”あいにく”にふさわしい1日となるという流れです。雨に責任はありません。本当は雨は、ただあるがまま雨そのものなだけなのです。しかしそれに気がつけるかどうか、そこでこの先が変わっていきます。

実はネガティブな固定概念をポジティブなものに入れ替えることは可能なのです。ただし、ネガティブな固定概念も1夜にして身についたものではないので、ポジティブな固定概念も同じように何度も繰り返し言葉にしたり考えたりする必要があります。なんせ”固定”ですから。

ポジティブな固定概念に入れ替えていくには、まずは今の自分の固定概念に気づいていく必要があります。パっと口から出る言葉に意識的に気がつくことが大切です。そもそも自分がどんな事を常日頃口にしたり反応したりしているのかに気が付かなければ、変えようがありません。

”あいにくの雨”とパッと口から出たらその時の自分の感情、ムードにも気が付いてみましょう。おそらくニコニコして良い気分を感じるということは無いと思います。テンションは低くドヨンとしている。そんな感じではないでしょうか。

幸せに日々暮らしたいと願いながら、雨が降るたび”あいにくの雨”と感じ、ドヨンとしたムードになるのなら雨の日は幸せに暮らせないということになります。ちょっと大袈裟かもしれませんが、意識的に毎日を過ごしていくとそのようなことが日常のあちらこちらで見つかります。あちらこちらに見つかるということは、日常あちらこちらで幸せに過ごせない時間を過ごしているということです。それは本当に勿体無いと思いませんか。

そのときに役立つアイディアは、いつもコラムで書いている【心地良さ】を大切にすることです。もう、心地良さほどの万能ツールはありません。1日を通してなるべく心地の良い感覚、思考を選んでいくのです。心を安心させる捉え方、ホッとする感覚、お茶を飲んでホッでも良し、大らかな捉え方、面白がるなど、その時の自分が少しでも心温まる方を選んでいくのです。慣れるまでは難しいと感じるかもしれません。なんせ今まではモヤんとすることをあえて考えたり口にしたりする方が多かったのですから。でも、今日から決意して一日中心地良さを大切に育てる事にフォーカスしていきましょう。続ける決意が大切です。一夜にして心地良さを自分軸に置くのはなかなか難しいですが、コツコツと1mm1mm続ければ必ず心地良さが自分軸になる日が来ます。

そうして心地良さを日常の中心点に据え置くと、モヤっと感じる、ずっしり重く感じる時に敏感に気がつくことが出来ます。これがとっても重要ポイントです。そしてすかさずなぜモヤンとするのか自分の心に聞いてみましょう。”私はいま、何を口にした?何にどんな思考を巡らせた?”と。

すると必ずあぁ、これだ。という原因が見つかります。それさえ分かればあとは意識的にその口癖や思考を自分にとって心地の良いものへ変えていけば良いのです。一度ではありませんよ、コツコツ何度も繰り返し口にしたり考えるようにしていきます。自分の新しいポジティブな固定概念に変わるまで。どうしたら固定概念になったと分かるか、それはその事を考えたり口にした時に抵抗感なく心からしっくりくるようになった時です。身体もリラックスしていて安心している感覚です。

ハム子 好きな食べ物はひまわりの種。少々おデブ。

ここでどうしようもない例えを出しますが、分かりやすくするためにちょっと書いてみます。始めから謝っておきますごめんなさい。我が家はハムスターのハム子を飼っていますが、この子がかわいいのだけれど、なんせ自由人なもんであちらこちらとおがくずの中にそれはまぁ気まぐれにコロコロのブツを(食べながら見ている方がいたらごめんなさい。。)するのです。そして一日の終わりに全てを割りばしでつまんで綺麗にするのですが(我が家の独自の手法なのか、一般的なのかは謎ですが)、米粒つまみ競争でなかなかいい線まで行きそうなくらい毎日ひたすらつまむわけです。家事が終わり、(やったー!ようやく自分の時間じゃ、ワハハ。)と思った矢先すっかり忘れていたハム子の米粒つまみを思い出した時の何とも言えない感情。。そんな時、間髪入れずその感情に気がつきます。そしてどんな思考をしているのか見てみます。【今がっかりしている】【可愛いけどめんどくさいよ。。。】

ここで自動思考を流しっぱなしにして放っておくと、その思考に合わせてただイライラしたり疲れたり、「はぁ〜。。。」というような重たいエネルギーで自分の全身を包み込んでしまいます。そして毎日その時間がやってくると同じ反応を繰り返し、未来にもそれが続いていきます。ハム子 < 米粒つまみ の毎日なんてせっかく飼っているのに悲し過ぎます。ハム子 > 米粒つまみ に持っていきたい!

でも、気がつくことで、この先を選べるようになります。引き続き同じ思考、反応をして毎日を過ごすのか、新しい思考、反応を作って新しい毎日を過ごすのか。

「ハム子は可愛い。癒しでしかないはずなのに、私の中で毎日立ち上がるこの面倒という感覚、ペットの面倒は大変だという感覚、これを毎日これからも繰り返し体験する?それとも捉え方を変えて、もっとハム子と心地良く過ごす?」と自分に聞いてみます。こうして自動思考に気がつき、一度立ち止まり、自分に問う事で初めてポジティブな固定概念に変えていこうという選択ができます。

(ノートに書いてみるのもおすすめです。頭の中を一度紙に書き出すことで、よりヴィジョンがハッキリします。)

そこで少しづつ自分にとって心地の良い捉え方を探ってみます。「ハム子、可愛い、癒し、おデブで丸くて、、あぁ、このハム子だって一生懸命生きているんだよな。なんなら可愛さを振り撒いてどんな時も無条件に私たちを癒してくれてるじゃないか。ハム子が静止してるみたいに見えるレベルのハイスピードで車輪を回しているあの姿、車輪から降りる時遠心力でぶん回されそうになってるあの姿なんて、本当一瞬で癒されるよ。狙ってやれるもんじゃないよ。そう考えたら米粒つまみの一つや二つやってやろうじゃないか。」とか、米粒つまみ中はテンションあがる音楽聴いて歌いながらやれば気がそれてサクッとできるんじゃないか、夜はやることが多いから時間を変えてみようか、などというアイディアが湧いてきたりするのです。

するとここでもう思考の向きが変わり、エネルギーが変わり、人生が一つ楽へと進んでいきます。こんな小さなことでと思うかもしれませんが、日常はこんな小さなことの積み重ねから出来ています。だから今より心地良く生きたいのなら、日常の小さなことから始めてみましょう。

先ほどの”あいにくの雨”についても同じです。その雨の日をどうしたら少しでも心地良く過ごせるか自分に聞いてみましょう。まずはあいにくと口にしない、代わりに恵みの雨と口にする、お風呂に入れるのも、植物が育つのも、生活に困らないのも水があるおかげだなとしみじみしてみる、使うたびテンション上がりそうな傘を一つ買ってみる、レインシューズを買ってみる、雨音で瞑想してみるなどアイディアが出てくるでしょう。雨は1例に過ぎません。心地良さをキーワードに、あらゆる自分の人生の中で活用していきます。コツコツと小さなところから始めましょう。続けていくうちに、その意識使いが上手になっていきます。その時周りからもなんか変わったね、と言われたり良い影響を与える事になります。

良い気分になるアイディア

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